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ユニットシステム設計


§1 ステータス定義

数値レンジ

ステータス レンジ 0 を含むか 役割
コスト 1〜9 配置リソース制約。高いほど強いが展開数が減る
HP 1〜9 耐久力。0 になると撃破
攻撃力 0〜9 一部スキルが効果量の計算で参照する入力パラメータ。0 = スキル特化型

各ステータスの設計意図

コスト: 1〜9

役割: プレイヤーの配置コスト上限内でやりくりするリソース制約。

  • コスト上限はプレイヤーに紐づく成長要素(詳細は PRD #68)
  • コスト値はユニットの「総合力」を反映する
    • 高コストユニット: 高いステータスまたは強力なスキルを持つが、コスト上限を大きく消費する
    • 低コストユニット: 個体は弱いが、多数展開してグリッドを埋め、スキル連鎖の網を張れる
  • コスト 0 は存在しない(「タダで配置できるユニット」はリソース制約の意味を破壊するため)

なぜ 1〜9 か:

  • GDD §3「基本一桁」方針に準拠
  • 9 段階あれば、ユニット数が大幅に増加しても十分な粒度でコストを割り振れる
  • 3×3 グリッド(最大 9 体)に対してコスト上限が制約として機能するためには、一定の幅が必要

HP: 1〜9

役割: 耐久力。「何発耐えられるか」を暗算で読む指標。

  • HP が 0 になるとユニットは撃破される
  • HP 1 のユニットは攻撃力 1 でも一撃で落ちる
    • → 紙装甲のサポートは配置で守る必要がある(配置パズルの源泉)
  • HP 9 のタンクは高攻撃力でも複数ターン耐える
    • → 壁として前衛に配置し、後衛のサポートやアタッカーを守る
  • HP 0 は存在しない(HP 0 = 撃破済み。配置不能)

なぜ 1〜9 か:

  • 攻撃力レンジ(0〜9)と同じスケールで統一することで、「攻撃力 X vs HP Y → 何ターンで撃破できるか」の暗算が直感的になる
  • 9 段階あれば、タンク(高 HP)からグラスキャノン(低 HP)まで、十分な差を表現できる

攻撃力: 0〜9

役割: 一部のスキルが効果量の計算で参照する入力パラメータ。スキルの効果量はスキル自身が定義し、攻撃力を参照するかどうかもスキルごとに決まる。

  • 攻撃力 0 のユニットが存在する。これはスキル特化型(ヒーラー、バッファーなど)のユニットを意味する
    • 攻撃力を参照するスキルではダメージを与えられないが、固定値のスキルによって味方を強化・回復、または敵を弱体化する
    • 「自分では戦えないが、チームに不可欠」という存在がパズルの配置判断に深みを与える
  • 攻撃力が高いユニットは単体火力に優れるが、一般にコストも高い

なぜ 0 を含むのか:

  • スキル特化型ユニットの明示的表現: 攻撃力 0 は「このユニットは殴るためではなく、スキルで貢献する」というデザイン意図をプレイヤーに明確に伝える
  • 配置パズルの深化: 攻撃力 0 のユニット「をどこに置くか」は純粋な配置問題になる。前列に置けば被弾リスクが高く、後列に置けばスキル範囲が届かない可能性がある
  • GDD §3 の設計思想との整合: 「戦略の深みはステータスの複雑さではなく配置 × スキルで生む」— 攻撃力 0 のユニットの存在がまさにこれを体現する

コストのトレードオフ構造

コスト上限というリソース制約は、プレイヤーに以下の 3 つの戦略軸を提示する。

高コスト精鋭戦略

例: コスト 7 + コスト 5 + コスト 3 = 15
    → 3 体のみ配置。各個体は強力だがグリッドに空きが多い
  • 利点: 個体のステータスとスキルが強力。単体で敵を圧倒できる
  • 欠点: 空きマスが多く、スキル連鎖の受け口(味方ユニット)が少ない。敵の範囲攻撃に弱い(対象が少ないため直撃しやすい)

低コスト物量戦略

例: コスト 1 × 5 + コスト 2 × 2 = 9
    → 7 体展開。個体は弱いがグリッドを埋めてスキルの網を張れる
  • 利点: グリッドを広く占有し、ポジショナルスキルの対象を最大化できる
  • 欠点: 単体では敵を倒しきれない。バフやデバフのスキル連鎖が機能しないと火力不足に陥る

サポート混成戦略

例: コスト 5(アタッカー)+ コスト 3(タンク)+ コスト 1(バッファー)× 2 = 10
    → 攻撃力 0 のサポートを混ぜて「1 + 1 = 3」を目指す
  • 利点: 少ないリソースで全体の戦力を底上げできる。配置の精度が鍵
  • 欠点: サポート自身の戦闘力は皆無。配置を誤るとサポートが先に倒され、戦略が崩壊する

核心: どの戦略が正解かはステージの敵構成次第であり、「同じユニット群でも配置と戦略で勝敗が変わる」ことが配置パズルの本質。


MVP 時点での実効帯域

システムとしては 0/1〜9 のフルレンジを定義するが、MVP ロスター設計(#72)では以下の帯域を主に使用する。 6〜9 の帯域は、ユニット追加時の拡張空間として温存する。

ステータス MVP 実効帯域 拡張時(Phase 2〜)
コスト 1〜5 6〜9 を追加
HP 1〜5 6〜9 を追加
攻撃力 0〜4 5〜9 を追加

理由:

  • MVP のユニット数は少ない(10 体前後)ため、狭い帯域でも十分な差別化が可能
  • 暗算負荷を抑え、「完全情報パズル」としての一覧性を確保する
  • 後から数値インフレを起こさず、自然にパワーレベルを拡張できる

§2 ロール体系

ロール一覧

ロール 一言定義 配置適性
タンク 味方を守る壁。被弾を引き受ける 前衛
アタッカー 敵を倒す主火力。ダメージの主役 前衛〜中衛
ヒーラー 味方を回復し、戦線を維持する 後衛
バッファー 味方を強化し、チームの総合力を底上げ 中衛〜後衛
デバッファー 敵を弱体化し、味方の攻略を補助する 中衛〜後衛

各ロールの詳細

タンク

ゲームプレイ上の役割: 前衛に配置して敵の攻撃を引き受け、後衛の味方を守る「壁」。高い HP で複数ターンにわたって生存し、味方が火力やスキルを展開する時間を稼ぐ。タンクを配置しなければ後衛のサポートやアタッカーが直接攻撃を受けるため、パーティ構成の土台として重要な存在。

ステータス傾向:

ステータス 傾向 MVP 実効帯域での目安
コスト 中〜高 2〜4
HP 高い 4〜5
攻撃力 低い 1〜2

スキル傾向:

  • 自己防御系(被ダメージ軽減、HP 回復トリガー)
  • 挑発系(敵の攻撃対象を自身に集中させる)
  • 隣接味方への防御バフ

配置適性: 前衛(列 1)

  • 敵に最も近い列に配置し、被弾を引き受ける
  • 後ろに高火力アタッカーやサポートを配置する構成の土台

パズル上の意味: 「タンクをどこに置くか」は防御ラインの設計そのもの。前衛の配置次第で、後衛のどのユニットが攻撃射線に入るかが変わる。HP が高い分コストも嵩むため、「壁を厚くするか、火力に振るか」のトレードオフが生まれる。


アタッカー

ゲームプレイ上の役割: 高い攻撃力で敵にダメージを与える主火力。パーティの「倒す力」を担い、ステージクリアの最も直接的な手段。攻撃力が高い反面、HP が低い傾向にあり、タンクの庇護やバッファーの強化なしでは脆い。

ステータス傾向:

ステータス 傾向 MVP 実効帯域での目安
コスト 中〜高 3〜5
HP 低〜中 1〜3
攻撃力 高い 3〜4

スキル傾向:

  • 高倍率の単体攻撃
  • 範囲攻撃(列攻撃、隣接攻撃)
  • クリティカル / 追加ダメージ系

配置適性: 前衛〜中衛(列 1〜2)

  • 攻撃スキルの射程が前面に限られる場合、前に出すほど火力を発揮しやすい
  • ただし HP が低いため、タンクの背後(列 2)に置いて守られる配置が安定
  • 高 HP のアタッカー(ブルーザー型、後述のハイブリッド)は列 1 に置く選択肢もある

パズル上の意味: 「アタッカーをどこまで前に出すか」がリスク・リターンの核心。前に出せば火力は上がるが被弾して落ちやすい。後ろに下げれば安全だがスキル射程が届かなくなる可能性がある。敵の攻撃パターンを読んで最適な位置を決める。


ヒーラー

ゲームプレイ上の役割: 味方の HP を回復し、チームの生存ターン数を延ばす。タンクやアタッカーが持ちこたえている間に繰り返し回復を行うことで、消耗戦を制する鍵。攻撃力は 0〜低い範囲(攻撃力の定義は §1 を参照)。

ステータス傾向:

ステータス 傾向 MVP 実効帯域での目安
コスト 低〜中 1〜3
HP 低い 1〜2
攻撃力 0〜低い 0〜2

攻撃力とスキル効果量の関係: 攻撃力はスキル効果量の入力パラメータであり(定義は §1)、スキルごとに参照するかが決まる。攻撃力 0 のヒーラーは固定値の小回復(低コスト)、攻撃力 1〜2 のヒーラーはスケーリング回復が可能(高コスト)。この差がヒーラー間の差別化を生む。

スキル傾向:

  • 単体回復(指定位置の味方を回復)
  • 範囲回復(隣接味方を回復)
  • リジェネ(ターン経過で HP を継続回復)

配置適性: 後衛(列 3)

  • HP が低く被弾に弱いため、タンクの背後に配置する
  • 回復スキルの対象範囲を考慮して、回復したい味方に隣接する位置を選ぶ

パズル上の意味: 「ヒーラーをどこに置けば、必要な味方に回復が届くか」が純粋な配置パズル。回復スキルの対象範囲がポジショナル(例: 1 マス前の味方)であるため、ヒーラーの位置次第で回復が届く味方が変わる。攻撃力 0 の低コストヒーラーを使うか、攻撃力を持つ高回復量ヒーラーにコストを割くかの判断も編成パズルに深みを与える。


バッファー

ゲームプレイ上の役割: 味方のステータスやスキル効果を強化し、チーム全体の戦力を底上げする。バッファー自身の戦闘力は低いが、「1 + 1 = 3」を実現するシナジーの源泉。正しい位置に配置すれば、アタッカーの火力を倍増させたり、タンクの耐久力を大幅に引き上げたりできる。攻撃力は 0〜低い範囲。

ステータス傾向:

ステータス 傾向 MVP 実効帯域での目安
コスト 低〜中 1〜3
HP 低い 1〜2
攻撃力 0〜低い 0〜2

攻撃力とスキル効果量の関係: ヒーラーと同じ構造(§1)。攻撃力 0 = 固定値の控えめバフ(低コスト)、攻撃力 1〜2 = スケーリングされた強力バフ(高コスト)。

スキル傾向:

  • 隣接味方の攻撃力バフ
  • 列全体の防御力バフ
  • 条件付きバフ(特定のロール傾向の味方にのみ効果倍増 等)

配置適性: 中衛〜後衛(列 2〜3)

  • バフ対象との隣接を第一優先で配置する
  • 自身の HP が低いため、なるべく後方に下げたいが、バフをかけたいアタッカーが列 2 にいる場合は列 2 に並べる必要がある
  • この「バフ対象に近づくか、安全圏にいるか」のジレンマが配置パズルの深みを生む

パズル上の意味: バッファーの真価は「誰の隣に配置するか」で決まる。「低コスト・攻撃力 0 の控えめバッファーを多数展開して広くバフを撒く」物量戦略と、「高コスト・攻撃力ありの強力バッファーに絞る」精鋭戦略の選択が生まれる。HP が低く脆いため、配置と取捨選択が求められる。


デバッファー

ゲームプレイ上の役割: 敵のステータスやスキル効果を弱体化し、味方の攻略を間接的に補助する。敵の攻撃力を下げてタンクの生存を助けたり、敵の防御を下げてアタッカーの火力を実質的に引き上げたりする。バッファーが「味方を強くする」なら、デバッファーは「敵を弱くする」。

ステータス傾向:

ステータス 傾向 MVP 実効帯域での目安
コスト 低〜中 1〜3
HP 低〜中 1〜3
攻撃力 0〜低い 0〜1

スキル傾向:

  • 敵の攻撃力デバフ(前列の敵の攻撃力を低下 等)
  • 敵の行動遅延(行動順を遅らせる)
  • 状態異常付与(毒、スタン 等)

配置適性: 中衛〜後衛(列 2〜3)

  • デバフスキルの対象範囲(例: 正面の敵列、隣接する敵)に合わせて配置する
  • バッファーほど味方との隣接を要求されない代わりに、敵に対する位置関係がより重要
  • スキルによっては前衛に近い配置が有効な場合もある

パズル上の意味: デバッファーの配置判断は「どの敵を弱体化するか」に直結する。敵の配置(3×3)を読み、最も脅威となる敵にデバフが届く位置を選ぶ。バッファーが「味方の配置に依存する」のに対し、デバッファーは「敵の配置に依存する」点が差別化ポイント。


ロール対比表

5 種ロールの特性を一覧で比較する。

観点 タンク アタッカー ヒーラー バッファー デバッファー
一言定義 主火力 回復 味方強化 敵弱体化
HP 傾向 ★★★★★ ★★☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★★☆☆☆
攻撃力傾向 ★★☆☆☆ ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
コスト傾向 中〜高 中〜高 低〜中 低〜中 低〜中
配置適性 前衛 前衛〜中衛 後衛 中衛〜後衛 中衛〜後衛
依存する情報 敵の攻撃方向 敵の HP / 位置 味方の HP 残量 味方の位置 敵の位置
強み 高耐久 高火力 持久力 シナジー創出 敵戦力削減
弱み 火力不足 脆い 脆い・低火力 脆い・低火力 直接火力が乏しい

配置適性と 3×3 グリッドの関係

3×3 グリッドにおける「前衛 / 中衛 / 後衛」は以下のように対応する。

                    → 敵陣
┌─────┬─────┬─────┐
│(3,1)│(2,1)│(1,1)│  行 1(上段)
├─────┼─────┼─────┤
│(3,2)│(2,2)│(1,2)│  行 2(中段)
├─────┼─────┼─────┤
│(3,3)│(2,3)│(1,3)│  行 3(下段)
└─────┴─────┴─────┘
 列3    列2    列1
 後衛   中衛   前衛
  • 列 1(前衛): 敵に最も近い。攻撃を受けやすいが、前面へのスキルが直接届く
  • 列 2(中衛): 前衛の背後。前衛が健在なら直接攻撃を受けにくい(攻撃ルール次第)
  • 列 3(後衛): 敵から最も遠い。最も安全だが、前面への攻撃射程が届きにくい

典型的な配置パターン:

列1(前衛): タンク / 高HP アタッカー
列2(中衛): アタッカー / バッファー / デバッファー
列3(後衛): ヒーラー / バッファー

ただし、これはあくまで「典型」であり、敵の構成やスキルの対象範囲によって最適配置は毎回変わる。これが「配置パズル」の本質。


ハイブリッドロールの扱い

基本方針

ロールはデザイン上の分類であり、UnitData に enum として定義しない(PRD #31 DP-3)。したがって、1 体のユニットが 複数のロール特性を兼ね備えることが自然に許容される。

ハイブリッドの類型

類型名 組み合わせ
ブルーザー タンク × アタッカー HP と攻撃力が両方中程度。前衛で殴りつつ耐える万能型
パラディン タンク × バッファー 高 HP で前衛に立ちつつ、隣接味方にバフを付与する
セージ ヒーラー × バッファー 回復しつつ味方にバフを撒く。低 HP のため後衛配置が必須
ウィッチ アタッカー × デバッファー 低〜中の攻撃力を持ちつつ、敵にデバフをかけて実質火力を出す
ガーディアン タンク × ヒーラー 高 HP で自己回復を持つ。前衛で長時間単独で耐える

ハイブリッドのバランス制約

  • コストが上がる: 複数ロールの特性を兼ね備えるユニットは、単一ロール特化型よりコストが高くなる傾向にする。万能型は存在するが「高い」
  • 専門性の希薄化: ハイブリッドは便利だが、各能力は専門型に劣る。ブルーザーはタンクほど硬くなく、アタッカーほど火力も出ない
  • 配置適性のジレンマ: ハイブリッドの配置適性は複数ロールの中間になり、「どこに置いても中途半端」か「どこに置いてもそこそこ機能する」かはスキル設計次第

MVP での扱い

MVP ロスター(#72)では、ハイブリッドロールのユニットを 1〜2 体 含める。目的は以下の通り:

  • ロール分類が「硬い境界」ではなくグラデーションであることをプレイヤーに示す
  • 「このユニットは前衛と中衛のどちらに置くか?」という追加の配置判断を生む
  • 単一ロール特化型と比較して「器用貧乏 vs 専門特化」のトレードオフを体験させる

§3 バランスルール

グレードシステム

定義

グレードは キャラクターの格 を表す 3 段階の分類。ユニットの特別感をプレイヤーに伝える指標であり、バランス設計の基盤となる。

グレード キャラクターの格 プレイヤーの受け取り方
1 モブキャラ — 名もなき兵士・見習い 安くてとりあえず使える枠埋め要員
2 中ボスキャラ — 個性ある名前付きキャラ 仲間にすると嬉しい。固有の強みがある
3 ボスキャラ — ステージの顔となる存在 切り札級。この子がいれば戦略が変わる

重要な制約

  • グレードは獲得元に縛られない。 初期所持でもグレード 2-3 はあり得る(最初から仲間にいる格のあるキャラ)
  • グレードはキャラクターの「格」であり、純粋なパワー指標ではない。 グレード 1 でも低コスト帯では有用であり、グレード 3 でもコストが重い制約がある
  • グレードはプレイヤーに見える情報。 UI 上でアイコン枠の装飾差やソート基準として使用される(UI 詳細は別 PRD)

四象限バランスフレームワーク

構造

コスト(横軸)とグレード(縦軸)の 2 軸で、ユニットの設計空間を 4 象限に分類する。

グレード
  3 │                 │                  │
  2 │   Q2            │   Q4             │
    │   ユーティリティ │   エース         │
    │                 │                  │
  ──┼─────────────────┼──────────────────┤
  1 │   Q1            │   Q3             │
    │   フィラー       │   ノーバリュー   │
    │                 │   ❌ 設計禁止     │
    └─────────────────┴──────────────────┘
       低コスト(1-2)     高コスト(3-5)

各象限の設計ルール

Q1: フィラー(低コスト + グレード 1)

「安い枠埋め要員。低コスト物量戦略の構成要素」

項目 ルール
コスト 1〜2
ステータス効率 1.0(低い。スキル価値で補うか、安さ自体が価値)
スキル 基本的・汎用的。固有能力は控えめ
ユニットの存在意義 安さゆえの物量展開、スキル連鎖の受け口
healer_01(コスト 1)、buffer_01(コスト 1)
Q2: ユーティリティ(低コスト + グレード 2-3)

「安くて使い勝手に全振り。スキルの独自性で差別化するバランスの良い強者」

項目 ルール
コスト 1〜2
ステータス効率 1.0〜2.0(ステータスは中程度だが、コスパが光る)
スキル 固有かつ唯一無二。同じ効果を持つ安い代替がいない
ユニットの存在意義 低コストなのにキャラの格がある意外性。「グレード 2 なのにコスト 2?」という発見
debuffer_01(コスト 2, グレード 2)、debuffer_02(コスト 2, グレード 2)
Q3: ノーバリュー(高コスト + グレード 1)— ❌ 設計禁止

「高コストなのにモブ?払うコストに見合わない凡人」

項目 ルール
コスト 3〜5
グレード 1
方針 このゾーンにユニットを配置してはならない
理由 プレイヤーにとって高コストを支払う動機がない。スキルも基本的で特別感もなく、同じコストのグレード 2-3 ユニットの完全下位互換になる
Q4: エース(高コスト + グレード 2-3)

「コストが高いがパワーも高い。戦略を変える切り札」

項目 ルール
コスト 3〜5
ステータス効率 1.0〜2.0(ステータスは高い。コスト相応のパワー)
スキル 強力かつ固有。配置パズルの選択肢を広げる
ユニットの存在意義 高コストに見合う特別感。グレード 3 はこの象限の最上位に位置する
attacker_02(コスト 4, グレード 3)、attacker_03(コスト 5, グレード 3)

四象限のまとめ

象限 コスト グレード ステータス効率 スキル価値 設計可否
Q1 フィラー 1 ≈ 1.0 基本
Q2 ユーティリティ 2-3 1.0〜2.0 ユニーク
Q3 ノーバリュー 1
Q4 エース 2-3 1.0〜2.0 強力

コスト対ステータスのバランスカーブ

基本式

ユニットの ステータス効率 を以下の式で算出する。

ステータス効率 = (HP + 攻撃力) / コスト

効率レンジ

効率 判定 説明
2.0 上限 最大効率。これを超えるのは「強すぎる」
1.5〜2.0 適正(高効率) ステータス特化型ユニットの期待値
1.0〜1.5 適正(標準) スキル特化型・ハイブリッド型の期待値
1.0 下限 最低効率。これを下回るのは「弱すぎる」

効率の偏差要因

ステータス効率は一律ではなく、以下の要因で意図的に偏差を持たせる。

要因 効率への影響 理由
スキル特化 効率が 低い (≈ 1.0) ステータスが貧弱な代わりに、スキルの価値が高い。攻撃力 0 のユニットは典型例
ハイブリッドロール 効率が 低め (≈ 1.3〜1.5) 2 つのロールを兼ねる「ハイブリッド税」。器用貧乏の代償として効率を下げる
ステータス特化 効率が 高い (≈ 2.0) HP か攻撃力のどちらかに極振り。スキルは基本的だが、数値で圧倒する
グラスキャノン 効率が 低め (≈ 1.0) 攻撃力に極振りで HP が極端に低い。リスクの対価として効率は低くなる

注意: 効率はあくまで「ステータスの量」の指標。スキル価値は含まれない。効率 1.0 のユニットが弱いとは限らない(スキルが強ければ総合力は高い)。


ロールごとのステータス配分ルール

各ロールに対し、ステータスの配分比率を不等式として定義する。新ユニットの設計時に、この不等式を満たすことを確認する。

制約テーブル

ロール HP 制約 攻撃力制約 根拠
タンク HP ≥ ATK × 2 ATK ≤ 2 HP に極振り。壁としての耐久が最優先
アタッカー ATK ≥ HP 攻撃力がHP以上。火力が最優先
ヒーラー HP ≤ 2 ATK ≤ 2 両方低い。スキル(回復)で価値を出す
バッファー HP ≤ 2 ATK ≤ 2 両方低い。スキル(バフ)で価値を出す
デバッファー HP ≤ 3 ATK ≤ 1 HPはやや許容。攻撃力はほぼゼロ

ハイブリッドロールの制約

ハイブリッドロールは、構成する 両方のロール制約の緩和版 を適用する。

ハイブリッド 制約の緩和
ブルーザー(タンク × アタッカー) HP ≥ ATK × 1.5(タンクの HP ≥ ATK × 2 を緩和) tank_02: HP 4. ATK 2 → 4 ≥ 2 × 1.5 = 3 ✅
セージ(ヒーラー × バッファー) HP ≤ 3, ATK ≤ 2(ヒーラーの HP ≤ 2 を緩和) healer_02: HP 2, ATK 2 → HP ≤ 3 ✅, ATK ≤ 2 ✅

ハイブリッドの制約緩和は個別に判断する。新しいハイブリッド型を設計する場合は、構成ロールの制約を参照し、どちらの制約をどの程度緩和するかを明記すること。


コスト帯別の性能期待値

低コスト帯(コスト 1〜2)

「安さが正義。安いからこそ許される弱さ」

項目 期待値
HP + ATK 1〜4
グレード 1〜2(1 ならフィラー、2 ならユーティリティ)
スキル グレード 1: 基本スキル1つ / グレード 2: 固有スキル1つ
配置上の役割 枠埋め、スキル連鎖の起点・受け口
想定される使い方 高コストユニットの隙間を埋める。低コスト物量戦略の構成要素

バランスチェック:

  • ✅ コスト 1 で HP 1, ATK 0 → 効率 1.0。グレード 1 フィラーとして許容
  • ✅ コスト 2 で HP 2, ATK 0 → 効率 1.0。グレード 2 スキル特化として許容
  • ✅ コスト 2 で HP 3, ATK 1 → 効率 2.0。上限ギリギリだが許容
  • ❌ コスト 2 で HP 3, ATK 2 → 効率 2.5。上限超過。強すぎる

中コスト帯(コスト 3)

「編成の中核。グレード 2 以上であることが必須」

項目 期待値
HP + ATK 4〜6
グレード 2〜3(Q3 禁止則によりグレード 1 は不可)
スキル 固有スキル1〜2つ。堅実な効果
配置上の役割 前衛の壁役、中衛の主力火力、万能サポート
想定される使い方 パーティの柱。初期パーティの主力、または汎用性の高いボス報酬

バランスチェック:

  • ✅ コスト 3 で HP 5, ATK 1 → 効率 2.0。グレード 2 タンクとして適正
  • ✅ コスト 3 で HP 3, ATK 3 → 効率 2.0。グレード 2 アタッカーとして適正
  • ✅ コスト 3 で HP 2, ATK 2 → 効率 1.33。グレード 2 ハイブリッド(ハイブリッド税)として適正
  • ❌ コスト 3 で HP 1, ATK 1, グレード 1 → Q3 禁止則違反。 コスト 3 でグレード 1 は設計禁止

高コスト帯(コスト 4〜5)

「切り札。グレード 2-3 の格に相応しいパワーと個性」

項目 期待値
HP + ATK 5〜6(コスト 5 でも上限は 6。効率で見ると 1.0〜1.5)
グレード 2〜3(Q3 禁止則によりグレード 1 は不可。グレード 3 はこの帯域に集中する)
スキル 強力な固有スキル1〜2つ。戦略を変える効果
配置上の役割 エース級の壁役、最高火力アタッカー、万能ハイブリッド
想定される使い方 少数精鋭戦略の核。コスト上限の大部分をこの 1 体に投資する

バランスチェック:

  • ✅ コスト 4 で HP 2, ATK 4 → 効率 1.5。グレード 3 グラスキャノンとして適正
  • ✅ コスト 4 で HP 4, ATK 2 → 効率 1.5。グレード 2 ブルーザーとして適正
  • ✅ コスト 5 で HP 1, ATK 4 → 効率 1.0。グレード 3 究極グラスキャノンとして適正(スキルが強力な前提)
  • ❌ コスト 4 で HP 5, ATK 4 → 効率 2.25。上限超過。強すぎる

バランス検証

§3 のルールに対するユニットデータの準拠検証は、scripts/docs/generate_unit_pages.py で自動生成されるユニットページと将来の CI 検証に移行済み。手動テーブルは管理しない。

参照: ユニットの現在のステータス値は自動生成されたユニット一覧を参照。


グレードの今後の展開

UnitData へのフィールド追加

グレードをゲーム内で利用するには、UnitData Resource に grade フィールドを追加する必要がある。

# 想定される追加フィールド
@export_range(1, 3) var grade: int = 1

この変更は本ガイドラインのスコープ外とし、別 Issue で対応する。

UI での表示

グレードはプレイヤーに見える情報として、以下の UI 要素で活用する。

  • 編成画面でのアイコン枠の装飾差(グレード 1: 無装飾 / グレード 2: 銀枠 / グレード 3: 金枠 等)
  • 図鑑でのソート・フィルタリング基準
  • ユニット詳細画面でのグレード表示

UI の詳細は UI/UX 関連の PRD で定義する。



参照リンク

ドキュメント リンク
GDD §3 コアメカニクス docs/gdd.md
ユニットシステム PRD #31
プレイヤー成長 PRD(コスト上限) #68
世界観・キャラクター PRD(ID リプレイス元) #67
スキルシステム PRD(スキル定義元) #33
ステージシステム PRD(ステージ構成元) #34
UnitData Resource 実装 scripts/data/unit_data.gd
SaveManager 実装 scripts/autoload/save_manager.gd
StageData 実装 scripts/data/stage_data.gd
GameDataRegistry 実装 scripts/autoload/game_data_registry.gd

変更履歴

日付 変更内容
2026/02/16 初版作成(stat_ranges / role_definitions / balance_guidelines / mvp_roster / acquisition_flow として個別作成)
2026/02/17 5 ドキュメントを unit_system.md に統合
2026/02/22 §4 MVPロスター・§5 獲得フローを削除。§1-§3 のルール定義に特化