コンテンツにスキップ

親密度イベント設計方針

このドキュメントについて

Maiden Phalanx における親密度イベントの構造・深度・全年齢版/成人版の分岐方式・キャラクターの背景とイベント進行の関係性を定義する権威ドキュメント。 具体的なシナリオは本ドキュメントでは扱わない。各キャラクターのイベントシナリオは個別のキャラクター設定 Issue で策定する。

トーン面の権威は tone_and_manner.md、浄化メカニクスの権威は world_setting.md §3 にある。



§1 イベントの段階構造

5段階制

親密度イベントは 5段階 で構成される。各段階はゲーム内ではハート等の数字で表示され、固有の名称は持たない。以下の名称はドキュメント上の説明用であり、ゲーム内表示ではない。

段階 説明用名称 感情的機能
♥1 出会い 指揮官との最初の会話。警戒・距離感。第一印象の形成
♥2 信頼 打ち解け。日常的な交流。過去の表層に触れ始める
♥3 開示 核心的なトラウマの開示。乙女が最も脆い部分を指揮官に見せる
♥4 誓約 関係の変質。トラウマを知った上で互いが「この人と共にいたい」と選ぶ
♥5 愛情 感情的・肉体的な結びつき。乙女の自由意志による愛情行為

段階3(開示)と段階4(誓約)の境界

この2段階は感情的機能が異なる。

観点 段階3(開示) 段階4(誓約)
機能 真実の開示 関係の変質
主語 乙女 → 指揮官(一方向) 乙女 ⇄ 指揮官(双方向)
感情の軸 脆弱性(Vulnerability) 決意(Commitment)
関係の変化 「信頼する仲間」→「心の内を見せた相手」 「心の内を見せた相手」→「特別な存在」

段階3は Pain → Growth の転換点、段階4は Growth → Bond の転換点として機能する(tone_and_manner.md §5.2 参照)。

グレード別の対象範囲

グレード 対象段階 理由
G1(モブ) 対象外 残留侵食なし(world_setting.md §3)。設定深度が最低限(character_guidelines.md §2)。将来拡張の余地は残す
G2(中ボス) ♥1〜♥5 仲間化後にフル5段階の親密度イベントが利用可能
G3(ボス) ♥1〜♥5 同上。段階5は G2 と同じ構造(浄化とは無関係な愛情行為)

解放トリガー

親密度イベントの解放はメインストーリーの進行に連動する。

方針 内容
解放トリガー メインストーリー進行(ステージクリア等)に連動して段階が解放される
ポイント蓄積 不採用。バトル参加による親密度ポイント制は採用しない
閲覧制限 なし。解放されたイベントはいつでも全て閲覧可能
コアループへの影響 なし。親密度イベントを一切見なくても全ステージクリア可能(adult_content_policy.md §3 準拠)

注記: ステージ攻略順序はリニア進行制に確定した(Issue #250)。親密度イベントの具体的な解放条件(例: ステージ N クリアで ♥M 解放)は親密度システム PRD で定義する。リニア進行により、特定ステージクリアとイベント解放の紐付けが明確に定義可能になった。


§2 イベントの深度

テキスト量の目安

グレード 1段階あたりのテキスト量 全5段階合計
G2(中ボス) 1,500〜2,500 字 7,500〜12,500 字
G3(ボス) 2,500〜4,000 字 12,500〜20,000 字

注記: 文字数は目安であり、ハードリミットではない。イベントの感情的密度を優先する。

CG 枚数の目安

グレード 全年齢版 CG 成人版 CG 合計 配置の目安
G2 2 枚 1 枚 3 枚 全年齢: ♥4(キス/ハグ)+ ♥5(暗転前)。成人: ♥5
G3 3 枚 2 枚 5 枚 全年齢: ♥3 or ♥4 + ♥4 + ♥5(暗転前)。成人: ♥5 × 2

注記: 枚数は「差分」を含まない基本構図の数。差分(表情変化・衣装変化等)は CG 1 枚につき 2〜3 差分を目安とする。

段階別のコンテンツ方向性

段階 テキストの方向性 CG
♥1 短め。性格の第一印象。指揮官への態度の確立 なし
♥2 日常の会話。過去の表層に触れる。口調の変化 なし
♥3 長め。トラウマの開示。感情的に最も重い段階 G3 のみ任意
♥4 関係の転換点。キス・ハグ等の接触描写を含む 全年齢 CG
♥5 感情的・肉体的クライマックス 全年齢 CG + 成人 CG

§3 全年齢版/成人版の分岐

分岐ポイント: 段階5のみ

段階1〜4は全年齢版と成人版で完全に同一。 分岐は段階5のみで発生する。

段階 全年齢版 成人版
♥1〜♥3 同一 同一
♥4 キス・ハグ等の接触描写を含む(全年齢版の描写範囲内) 同一
♥5 感情的クライマックス → 暗転 → 事後の会話 感情的クライマックス → 性的描写(CG + テキスト) → 事後の会話

全年齢版の完結性保証

adult_content_policy.md §5 に準拠する。

保証事項 詳細
感情的完結性 全年齢版の段階5は暗転しても感情的に完結する。事後の会話で関係性の変化が確認できる
CG の完結性 全年齢版用 CG が全段階に用意されている。CG ギャラリーが「歯抜け」にならない
成人版は拡張 成人版パッチは全年齢版の体験を拡張するオプションであり、欠落を補完するパッチではない

成人版のトーン

成人版の段階5も tone_and_manner.md §6.3 に従う。

  • 基調: 「行き過ぎた純愛」。ヒロイン主導、動機は純愛
  • ハードルール: NTR 禁止、暴力的性行為禁止。詳細は tone_and_manner.md §6.3 参照

§4 背景・トラウマとイベント進行の関係性

「傷の開示 → 受容 → 乗り越え」の3フェーズ構造

全ての親密度イベントは、以下の3フェーズに沿って設計する。

フェーズ 対応段階 内容 T&M 根拠
傷の開示 ♥2〜♥3 過去のトラウマ(夜以前の喪失・夜による変容)を徐々に語る §2.3「悲しみ・喪失は許容。キャラの深みを作る重要な要素」
受容 ♥3〜♥4 指揮官がトラウマを否定せず受け止める。乙女が「この人なら」と感じる §5.2「苦しみの意味づけ: Pain → Growth → Bond」
乗り越え ♥4〜♥5 トラウマを過去として受け入れ、前に進むことを選ぶ §5.2「消えない傷を受け入れて前に進む」

各フェーズは段階と1対1対応ではなく、段階をまたいで重なる。段階3は「開示」と「受容の始まり」を含み、段階4は「受容の完了」と「乗り越えの始まり」を含む。

グレード別のトラウマ深度

グレード トラウマの重さ 開示の速度 乗り越え方
G2 中度(具体的な喪失体験) 段階的(♥2〜♥3 で開示) 指揮官との対話を通じて受容
G3 重度(アイデンティティの崩壊レベル) 遅い(♥3 でやっと核心に触れる) 段階的に手放す。♥5 は「自分を取り戻した上で、自由意志で選ぶ」行為

ガードレール

ルール 根拠
トラウマは「ダークさのための苦難」ではなく「キャラクターの人間性を深めるための素材」 T&M §5.3 NG パターン
全てのトラウマに「乗り越え」が存在する。乗り越えられないトラウマは描かない T&M §5.2「取り返しのつかない喪失は原則として描かない」
外見的変容(角・尻尾等)は戻らないが、心理的な傷は癒える world_setting.md §3「楔を打っても外見変容は戻らない」
トラウマの開示は乙女のペースで行われる。指揮官が無理に聞き出す展開は不可 T&M §2.3 感情表現の範囲

§5 仲間化イベントとの関係

仲間化イベント(ストーリーイベント)と親密度イベント(サイドループ)は独立

ボス討伐後に発生する仲間化イベントは、親密度イベントとは別系統のストーリーイベントである。

イベント種別 発生タイミング 性質 浄化との関係
仲間化イベント ボス討伐直後(自動発生) ストーリーイベント(コアループの一部) 浄化が完了する(楔が打たれる)
親密度イベント メインストーリー進行に連動して解放 サイドループイベント(プレイヤー任意) 浄化とは無関係

仲間化イベントの概要

浄化メカニクスの詳細は world_setting.md §3 が権威。ここでは親密度イベントとの関係性のみ記述する。

グレード 仲間化イベントの内容 結果
G2 討伐後の軽度暴走 → 強制キス → 完全浄化(楔成立) 仲間化。以後は健康。親密度 ♥1 が解放される
G3 討伐後の重度暴走 → 逆レイプ → 完全浄化(楔成立) 同上

段階5と仲間化イベントの違い

観点 仲間化イベント 段階5(♥5)
動機 本能。制御不能な衝動 愛情。乙女の自由意志
浄化 完全浄化が発生する 浄化とは無関係。既に浄化済み
トーン 衝撃・混乱・事後の罪悪感 ロマンティック。「行き過ぎた純愛」
成人版での描写 CG + テキスト(G3 のみ) CG + テキスト(G2 / G3 共通)
全年齢版での描写 G2: キス描写。G3: 暗転 → 事後 暗転 → 事後の会話

参照リンク

ドキュメント リンク
GDD §2.1 レーティング & 配信戦略 docs/gdd.md
トーン&マナー docs/design/tone_and_manner.md
世界設定 §3 変容スペクトラム docs/design/world_setting.md
成人版コンテンツ方針 docs/design/adult_content_policy.md
キャラクター作成方針 docs/design/character_guidelines.md
ステージ攻略順序の再検討 Issue #250
世界観・キャラクター PRD Issue #67
本 Issue Issue #242